大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)3762号 判決

原判決が判示第二として摘示した事実、すなわち被告人が大場うた子と共謀の上、公に認められた場合でないのに拘らず、昭和二七年三月三日東京都中央区銀座西三丁目一番地丸の内ストア内において、米国軍票一〇ドル一枚及び連合国占領軍要員の財産たる軍用煙草ラツキーストライク五三カートンと二〇本入五箱、ウオーカージン一〇本を所持したという事実は、起訴状においてこれに対する罪名として昭和二四年政令第三八九号第一条と同政令第二条とを掲記してあるところからみても明らかなように、右事実は右第一条違反罪と第二条違反罪との二個の訴因を包含するものといわなくてはならない。

しかし、右第二違反罪については昭和二七年四月二八日政令第一一七号によつて大赦があつたので、右事実の中連合国占領軍要員の財産たる煙草およびウォーカージンを所持していたものとする点に対しては被告人を免訴する旨の判決の言渡をしなくてはならない筋合である。しかるに、原判決は事茲に出でず、判示第二の事実を以て一個の行為にして右第一条違反罪と第二条違反罪との二個の罪名に触れる場合と做し、そのことから右政令第一一七号第二条の規定によつて右の点につき赦免するの措置を採らなかつた。これは、原判決が所持を以て単に自然的な、社会的な事実としての現実的支配とのみ観、その現実的支配を構成要件に関係させた上、構成要件的に意味ある現実的支配と観なかつた誤に陥つていた為に外ならないからである。従つて、原判決はこの点において、判決に影響を及ぼすことの明らかな、法令の適用に誤あるものというべきである。それで論旨は結局理由あるに帰し、原判決はこの点において、とうてい破棄を免れない。

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